(参考元:http://coinpost.jp/?p=12808 より一部加工)

コインチェック騒動からまだ立ち直れない2月は、初っ端からBTCが暴落するなど、踏んだり蹴ったりですね。

今回の暴落(一時60万円台にまで下がった)では、2月3日(日本時間)にアメリカで起こった長期金利の上昇によって、ダウのボラティリティが急上昇し、投資家心理を表すといわれるVIX(恐怖指数)も上昇し、BTCは下落。これにより仮想通貨がVIXと逆相関の関係にあることを示しました。


金利・ダウ・VIXなど、なにがどうやって仮想通貨に絡んでくるのか、そもそも金利とは?
そういったことを踏まえた上で、今回の暴落の原因について解説してみます!


※VIXはBTC価格と逆相関関係にあるというだけで、因果関係までは言及されていません。
あくまで「VIXとBTCの間には、片方が増加すると、もう片方が減少する関係があるように見える」という話です。
VIXがBTCの暴落を予言するとか、断言したいわけではありませんのでご注意ください。


3行まとめ


  • アメリカの長期金利の利上げで、ダウのボラティリティが高くなる
  • ダウのボラティリティが高まると、VIXが上昇する
  • VIXの上昇とともに、仮想通貨の価格は下落していた

そもそもVIXって何?

VIXとはボラティリティ・インデックス(価格変動率指標)の略で、シカゴ・オプション取引所が作り出したものです。

VIXは、S&P500(アメリカの証券取引所に上場された代表的な500銘柄で構成される株価指数)を対象とするオプション取引の値動きをベースに算出されています。
このVIX指数は別名「恐怖指数」と呼ばれ、投資家心理を表す数値として利用されています。

比較的低いVIXは投資家たちが安定した値動きを期待し、高いVIXは激しい値動きを期待していると言い換えられるそうです。

簡潔に言うと、
低いVIXのとき=市場は安定してるので、あまり関心がない
高いVIXのとき=値動きが激しいので、今後の市場がどうなるかわからない



最近のニュースによると、VIXとビットコイン価格は逆相関の関係にあるそうです。
つまり、VIXが増加するとビットコイン価格が減少する、あるいはVIXが減少するとビットコイン価格が増加する、という関係です。



(参考元:http://coinpost.jp/?p=12808

今回の暴落の原因

2018年2月6日に、BTCがついに60万円台にまで急落しました。
今回の急落には、アメリカの長期金利の上昇が関係しているといわれています。

金利とは?

話をわかりやすくするため、まずは金利の話からしましょう。

金利というのは、簡単に言うと利子・利息といったものですね。
借りたお金を返すときに、+αで支払う部分でもあります。

【1】リーマン・ショック⇒【2】金融緩和

今回、アメリカの中央銀行が政策金利(中央銀行が一般銀行に貸すお金の利子)を引き上げるということが根っことなっています。

なぜか?それは2008年のリーマン・ショック以来、アメリカ政府は政策金利を引き下げ(金融緩和)、お金を流通させて経済を回すことで、大きな金融危機から脱却してきました。


金利が低いとき、まずアメリカの中央銀行はアメリカの一般銀行へ低い金利でお金を貸します。
次に、アメリカの一般銀行はアメリカ国内の企業へ、低い金利でお金を貸します。
すると、低い金利でお金を借りられたアメリカの企業は設備投資に乗り出します。

こうして、アメリカ国内でお金がよく巡るようになり、経済が活発化し景気がよくなります。


リーマン・ショックにより、米国中央銀行が米国一般銀行に、低い金利でお金を貸す(金融緩和)

米国一般銀行が米国国内企業に低い金利でお金を貸す

米国国内企業は低金利で借りたお金で、設備投資など行う

米国経済が活発化、景気がよくなる

【2】金融緩和⇒【3】インフレの懸念

景気がよくなってくると、人々の購買意欲が上昇してきます。
みんなが、「ほしいほしい!もっと金を出すぞ!!」と買いに走るので、物価はどんどん上昇していきます。

しかし、世に出回っているお金の量が多くなることで、ドルの価値はどんどん下がってしまいます
そのままだと物価は上昇し続けて、一方でドルが紙くず同然の価値に陥る「インフレ」になる可能性があります。

そこでアメリカの中央銀行はインフレを防ぐため、今後は利上げを行うことで過剰になりすぎた経済活動を調整する必要が出てきました。


リーマン・ショックにより、米国中央銀行が米国一般銀行に、低い金利でお金を貸す(金融緩和)

米国一般銀行が米国国内企業に低い金利でお金を貸す

米国国内企業は低金利で借りたお金で、設備投資など行う

米国経済が活発化、景気がよくなる

景気がよくなると人々の購買意欲が上昇し、物価が上昇する一方で、ドルの価値が下がっていく

ドル価値が極端に下がるインフレを防ぐため、米国中央銀行は利上げを行い、過剰な経済活動を調整する

【4】インフレの防止⇒【5】金利の上昇

こうしてアメリカでは金利の利上げが始まりました。

金利が上がると、アメリカの一般銀行も金利を上げることになります。
低金利の時には一般銀行から借りたお金で積極的な設備投資を行っていたアメリカ国内企業も、金利が上がると慎重に動かざるを得ないので、積極的な設備投資をしなくなります。


また、金利が低いときには支払い利息が減って利益が増えていましたが、反対に金利が上がると利益が減って、株価は下落しやすくなります。

これは1社に限った話ではなく、アメリカのほとんどの企業に当てはまります。

【5】金利の上昇⇒【6】ダウの下落

金利が上昇するとアメリカの経済はどうなってしまうのでしょうか?

アメリカの経済全体を見るならば、いくつかの会社の株価をランダムに選び出して、平均の数値をとればわかりやすいですよね。
実際にはランダムというわけにはいきませんが、アメリカで上場している企業の中から成長性や投資家の関心度合、業種のバランスなどを基準として、厳選された30社の株価の平均をとったものが、NYダウ(アメリカ株)です。


今回、アメリカではインフレの可能性が高まったことで長期金利が上昇しました。

金利が上がると株価は下落しやすくなるため、アメリカの代表的な株価指数であるNYダウに大きな影響を及ぼしました。


2018年2月3日付のニュースでは、金利上昇などの悪材料が出そろい、ダウ工業株30種平均は急落し、下げ幅は2008年12月1日のリーマン・ショック直後以来の大きさだったそうです。

さらに週が明けて、2月7日のダウ工業株30種平均は130ドル近く下落後に急速に値を戻す、ダウ平均も急速に上値が重く(相場が上がりそうで上がらない状況)なり、取引終了間際に下げに転じるなどボラティリティ(価格変動率)が高くなりました。

【6】ダウの下落⇒【7】VIXの上昇

ここで冒頭のVIX(恐怖指数)の話に戻ります。

値動きが激しいので、今後の市場がどうなるかわからないときは、VIXが高いと紹介しました。

つまり、ダウのボラティリティが高くなり、今後の値動きが予想できない状態にあるのでVIXは高くなります。
VIXは投資家心理を表す数値といわれているので、VIXが高いときには投資家も「やばい!!」と思っている可能性が高そうです。

【7】VIXの上昇⇒【8】リスク資産を手放す

やばそうな状況で生き残るために、人は何をどういった行動をとるのか?
一般的にはリスクの高いものは遠ざけて、リスクの低い安全なものを選ぼうとしますよね!

これを真っ先に思いついた投資先に当てはめてみると、

リスクの高いもの⇒仮想通貨
安全なもの⇒国債や金
という風になります。


現状、仮想通貨ほどリスクの高いものは他にないでしょう。

仮想通貨は暴力的にボラティリティが高く、将来の収益の予想が難しいリスク資産の中でも特別、まったく将来的な予想ができない、リスクの塊といってもよいものです。

一方で、国債や預貯金は将来の収益が確定されている安全資産といわれ、無リスク資産ともいわれます。また、インフレ懸念や金融危機などでは「金」が安全資産になります。

【8】リスク資産を手放す⇒【9】仮想通貨の暴落

VIXが高くなり「やばいよやばいよ!!」と思った投資家たちは、おそらく一斉に手持ちの仮想通貨を売りに出し、代わりに安全資産の買いに走ったのではないかと思われます。

一斉に売りに出されると、当然ながら売りが売りを呼び、価格はどんどん下がっていってしまいます。


下はVIXの日足チャートです。
週末にアメリカの金利上昇のニュースが入り、週が明けた2月5日にVIXが一気に上昇、最大37(1997年10月アジア通貨危機とほぼ同等)を記録しています。



(参考元:https://chartpark.com/vix.html


こちらは、ビットコイン価格(BTC)。
VIXとは逆の動きをするように、BTCは急落しています。



(参考元:https://cc.minkabu.jp/pair/BTC_JPY


ここまでの流れを整理すると、以下のようになります。

    リーマン・ショックにより、米国中央銀行が米国一般銀行に、低い金利でお金を貸す(金融緩和)

    米国一般銀行が米国国内企業に低い金利でお金を貸す

    米国国内企業は低金利で借りたお金で、設備投資など行う

    米国経済が活発化、景気がよくなる

    景気がよくなると人々の購買意欲が上昇し、物価が上昇する一方で、ドルの価値が下がっていく

    ドル価値が極端に下がるインフレを防ぐため、米国中央銀行は利上げを行い、過剰な経済活動を調整する

    利上げにより、企業の利益は減ってしまう

    利益が減ると、株価は下がる

    ダウ工業株30種平均やNYダウのボラティリティが高くなる

    値動きが激しく、今後の市場の動きが読めないため、VIXが上昇する

    リスクのあるものを手放そうとする

    仮想通貨が一斉に手放される

    売りがさらなる売りを呼び、仮想通貨市場に暴落が起こる

結局、どこに逃げたらよかったのか?

ちなみに、金や国債などの安全資産に逃げているのかと思ったら、これらも価格が下がっていました。
金の価格は2月5日から下がっていますね。



(参考元:https://www.goldbroker.com/charts/gold-price/usd


米国債も、7日~8日にかけて回復傾向にはありますが、6日~7日にかけての下落っぷりもなかなかです。



(参考元:https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield


こうしてみると、安全資産と言われていますが、案外そうでもないのかなぁと思います。
買いが大量に入っていれば価値も上がっているはずなので。

ついでにJPY/USDを見てみると、5日~6日にかけて若干の値上がりをしています。



(参考元:http://www.xe.com/ja/currencycharts/?from=JPY&to=USD&view=1W


今回勝ったのは、米ドルを購入していた人たちのようです。

まとめ

2月3日(日本時間)にアメリカで起こった長期金利の上昇により、ダウのボラティリティが上昇、投資家心理を表すといわれるVIX(恐怖指数)も上昇し、BTCは下落してVIXと逆相関の関係にあることを示しました。

いずれにせよ、VIXが高い状態で、リスク資産に手を出すのは危険です。
しばらくは様子見に徹して、むやみに買い増したりすることのないようにしましょう。


※VIXはBTC価格と逆相関関係にあるというだけで、因果関係までは言及されていません。
あくまで「VIXとBTCの間には、片方が増加すると、もう片方が減少する関係があるように見える」という話です。
VIXがBTCの暴落を予言するとか、断言したいわけではありませんのでご注意ください。