ただの投機対象から決済手段へ。
仮想通貨は一般的で身近な存在になってきています。

その一方で、まだ法整備が追い付いておらず、多岐にわたって規制すべき課題が残されていることも事実です。

これまでにどのような制度が設けられてきたかちょっと振り返ってみました。


進むキャッシュレス化と仮想通貨の制度整備問題

仮想通貨はまだ登場して間もないものですが、ここ数年でマーケットは急激に拡張しました。
数年間運用している私でも、市場が大きくなっていろんな通貨が取引しやすくな~とは日々感じます。
一方で、仮想通貨を使った決済はまだほとんどやったことがありません。

確かに日本では、日常生活の中で仮想通貨の必要性を感じることはまだないと思います。
そもそも現代の日本ではまだ現金が主流であり、次いでクレジットカードや電子マネーがあれば普通にショッピングできますよね。
なので、現時点であえて仮想通貨決済を導入・普及させるメリットも薄いと考えられます。

一方、海外では現金以外での決済手段が普及し、キャッシュレス化が一般的になってきてます。
なにもアメリカやヨーロッパだけでなく、中国やインドではさらに急速にキャッシュレス化が進んできています。
そこでは当然、仮想通貨が利用されるというわけです。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本政府は観光大国を目指しています。
そして2020年までには外国人観光客を2000万人まで増やす目標を立てています。

これだけの外国人観光客を受け入れるとなると、仮想通貨をはじめとしたキャッシュレスショッピングの整備はもはや避けて通れない問題となります。

とはいえ、仮想通貨の制度整備の問題は何も日本だけに限った話ではなく、世界中で課題となっています。
実際G7サミットの中で仮想通貨に関する議題に取り上げられたほどです。
それだけ世界中で仮想通貨の存在が無視できなくなっているということですね!

日本で法律整備が進んでいる理由

日本では平成29年4月1日から改正資金決済法を施行しました。
この法律の中で、ビットコインやアルトコインの発行・使用するためのルールが整備されました。
ちなみにこの法律に違反する行為があった場合、最大3年の懲役もしくは最高300万円の罰金が科せられる可能性があります。

このような法整備が急速にすすめらた背景には、主に2つの理由があります。

まずはマネーロンダリング対策です。
仮想通貨は銀行など金融機関を介することなく迅速な送金を可能にし、通貨の種類によっては匿名性を確保した状態でやり取りができます。
その結果、世界的なテロ組織の資金や犯罪組織のマネーロンダリングに悪用される懸念が出てきました。

もう一つは利用者保護の観点です。
日本は世界でもトップクラスの仮想通貨取引国にもかかわらず、なにか問題が起きた時に利用者を保護するためのセーフティネットがありませんでした。
その結果、当時最大級のビットコインを保有していた取引所が破綻し、資金を預けていた人が回収できなくなるというマウントゴックス事件が起こりました。
このため利用者の資金を守るにはどうすればいいか、その対策となる法整備が急務となっていました。

仮想通貨交換業者としての登録義務

先ほど紹介した改正資金決済法の制度の中では、取引所を営業するためには金融庁に登録する義務が生じました。
仮想通貨交換業を営むためには、

①株式会社であること
②1000万円以上の資本金があること
③純資産がマイナスになっていないこと
④交換業を適正かつ確実に営業できる状況にあること

以上の4つの条件を満たさなければなりません。

また仮想通貨交換業を行う業者は、消費者に適正な情報提供をすることも義務付けられます。
つまり、通貨の名称、仕組みや特性、手数料をはじめとした契約内容などについて明示する必要があります。

さらに金融庁が厳しく審査しても、取引所が破綻するリスクはゼロにはなりません
その場合のリスクマネジメントとして、利用者財産の分別管理が義務付けられました。

これは利用者から預かった仮想通貨などの財産と、事業者の資産を区分して管理しなければならないというルールです。
しかも年1回外部監査を受け入れ、利用者財産がきちんと管理されているかチェックを受けることも義務付けられてます。
利用者の財産と業者の資産を区分しておけば、破綻しても利用者の財産が債権者によって差し押さえられることもないので、破綻しても自分の預金がなくなってしまう事態を回避できます。

このように、改正資金決済法では取引所に関する規制に力を入れています。
もしこのような義務に違反した場合、金融庁や財務局から業務改善命令を出されます。

また悪質な行為が認められた場合には、業務の停止命令など強い行政処分を出すことも可能になりました。

物から支払い手段へ

改正資金決済法では、仮想通貨はほかの貨幣と同様に「支払い手段」として認められました。

実はこれまで仮想通貨は通貨ではなく、「物」という扱いでした。
なので、仮想通貨を購入することは商品を買い求めることと一緒で、買い物時には8%の消費税がかけられていました。

この段階で運用していた私からしてみると、税金はコストでしかなかったので「割に合わないな」という気がしました。

しかし仮想通貨の定義が明確になったことで、2017年7月からは消費税は非課税になりました。
コストがかからなくなったことで、取引量が増えたことは否めないでしょう。

今後も、政府や業界団体が主導となってさまざまな規制を設けていくことで、仮想通貨市場はより健全な方向へと改善していき、さらに活発な取引が行われることが期待されます!