マウントゴックス事件の「負の遺産」ともいわれる破産財団。
今回、MT.GOX社の民事再生手続きの開始が東京地裁により決定しました。
債権者はビットコインの返還を求めることができるので、ゴックスした当時よりも価値の高まったビットコインが戻ってくることになります。


3行まとめ

・MT.GOX社の民事再生手続きの開始が決定!
・債権者はビットコインで返還されるので、損失が最小限に!
・億単位のビットコインが市場に投下される恐れもなくなり、ようやく売りトレンド脱却か?!

民事再生手続きにより、何が変わってくるの?

今回、東京地裁によりMT.GOX社の民事再生の手続きの開始が決定されました。

これまではMT.GOX社の破産財団(債権者に弁済するために、破産した人が持っているお金などに変えられる財産)のビットコインを破産管財人が現金化して返還していました。
しかし、民事再生手続きになることで債権者には現金ではなく、ビットコインで返済されるようになります

これには2つのメリットがあります。
・ゴックス当時よりも価格の上昇したビットコインで返還される
・ビットコイン市場に悪影響を与えない


まず、「ゴックス当時よりも価格の上昇したビットコインで返還される」点について。
MT.GOX社が破綻したとき、わずかばかりながらも会社にお仮想通貨の資産が残っていたそうです。(一説によると120億円ほど)

当初は「こんなわずかな資産でどうやって債権者に返済すればいいんだ」と思ったことでしょうが、時は流れて2017年。
空前のビットコインバブルが起こり、一時は1BTC=200万円以上の価格になりました。

その後、コインチェックのNEM流出によりビットコイン価格は下落したものの、70万~100万円台をキープ。
もちろん、MT.GOX社の所有しているビットコインもゴックス当時に比べて数十~数百倍の価格に高騰
2018年3月時点では、約2000億円以上の資産を所有していました。

当初、破産管財人はこのビットコインを売却し、現金を工面する予定でした。
売却によって得られた現金はゴックス当時のレートで債権者に返還され、残った資産は株主に配分すると説明していたそうです。
ちなみに、カルプレス氏はMT.GOX社の株の80%以上を所有している大株主です。

つまり、現在ビットコインはめっちゃ高騰しているので、現金化すればかなりの金額になるはずです。
にもかかわらず、債権者はゴックス当時のしょぼいレートで換算した金額しかもらえないので丸々損をしてしまいます。
一方、残った巨額の資産はほぼ丸ごとカルプレス氏の手に渡ることになります。

法的な手続き上では全く問題のないことなんだそうですが、これではなんか納得できないですよね?

そこで、民事再生することにより、残った2000億円以上のビットコインをこれ以上現金化させず、割合に応じて債権者に分配することができるようになります。
これなら、債権者が損失を最小限に抑えることができますね!


次に、「ビットコイン市場に悪影響を与えない」点について。
MT.GOX社に残された2000億円以上の資産ですが、破産管財人によって2017年9月以降(実際には2018年3月と推測されている)に約430億円分が売却されていました。
(ちなみにビットコイン高騰のおかげで、この売却により債権総額の大半が充当されていたそうです。)

破産管財人によると市場に影響のない範囲で売却を進めたらしいですが、個人で巨額の資金を動かすことができる立場上、意図的に大量のビットコインを市場に投下して下落トレンドを作り出していたのではないかという見方も一部あるようです。

意図的かどうかはともかく、個人が相場を操作できるような事態は不健全としかいいようがないですよね。
実際にやっていなくても、「マウントゴックスの破産財団がそろそろ放出される」という噂だけでも下げトレンドを創り出すこともできます。

民事再生の手続きによりMT.GOX社のビットコイン資産が大量に市場に流れてくることはないと考えるとかなり安心できます。


このように、民事再生が決まったことにより、債務者はもちろんのこと、マウントゴックス事件に関係のない仮想通貨投資家にとっても、非常に安心して投資できる状況になったといえるでしょう。

ゴックスから今までの過程

大量のビットコインが消失したマウントゴックス事件は、「ゴックスする」という言葉を生み出すほどに有名ですよね。

ことの発端は2014年、仮想通貨取引所「マウントゴックス」を運営するMT.GOX社が、大量のビットコインを消失させてしまいました。
損失は顧客資産である75万BTC、自社保有分の10万BTCに加え、顧客の購入用預り金の約28億円で、これがハッキングにより消失してしまったと、元CEOのマルク・カルプレス氏は会見で話しました。


しかし、のちにカルプレス氏は顧客の預金を着服していた疑いで逮捕
カルプレス氏は無実を訴え、2018年現在に至るまで公判が続いています。

マウントゴックス事件がサイバー攻撃だったのか、あるいはカルプレス氏による着服だったのか、いずれ裁判で決着がつくことでしょう。

マウントゴックスの発表内容 ※関係者は要注目!

今回、MT.GOX社の一部債権者が東京地方裁判所に申し立てを行った結果、民事再生手続きが開始されました。
これに伴って、破産手続きは中止。

MT.GOX社の破産管財人に指名されていた小林信明弁護士が引き続き、再生管財人に選ばれたようです。

民事再生手続きに伴い、「MTGOX破産債権届出システム」は一時停止、その昨日を利用して再生債権の届出システムを用意するそうです。
対象の方は、債権届出システムで登録したユーザーネーム、パスワードは忘れないように注意するよう喚起しています。


詳細はこちらで確認できます。
MT.GOX公式ホームページ

カルプレス氏の思惑通り??

現在も「マウントゴックス事件」の公判中のカルプレス氏。
一貫して無罪を主張しているようです。

じつは2017年11月、カルプレス氏は民事再生して新しい経営陣と274億円があれば、マウントゴックスを完全復活させて利益も出せると言っていました。
また、破産手続きと破産財団について、裁判所と管財人がやっていることで自分はかかわっていないとコメントしたそうです。

さらに、「現状の破産手続きでは自分に入る資金は税金で大幅に減り、そこから債権者に渡す金額ももっと減ってしまう。民事再生して債権者に出来る限り資金を分配するのが最善だ」と述べていたそうです。

「債権者の最善のために民事再生を考えてるなんて、カルプレス氏ほんとはいいやつなんじゃないか?」なんていうつもりは一切ありません。
しかしカルプレス氏の発言後に、結局民事再生手続きが開始されています。
なんだかカルプレス氏の言っていた通りになってるみたいですね。

遅かれ早かれ民事再生手続きに移行することを見越していたのか、はたまた「善人らしい」コメントを残すことで裁判での心証を良くするつもりでしょうか?
依然、カルプレス氏の真意は不明なままです。

ただ確かなこととして、カルプレス氏は4年の歳月でスリムに痩せ、ただのイケメンになっていました

(引用:https://japanese.engadget.com/2018/04/23/mt-gox-vpn-cto/)


なんとツイッターもやっています。
意外と日本語も堪能みたいですね。